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社内システムの構築環境はオンプレミスとクラウドどちらがいい?
~メリットを最大化、デメリットを最小化する次世代の情報システム構築を実現する~【QTnet データセンターテクニカルレポート Vol.3】

2017年12月6日

社内のシステム更新の時期が近づいています。
社内システムの構築環境には、オンプレミスとクラウド
どちらを選ぶのがいいのでしょうか?

投稿日:2017.12.06

クラウドサービスの登場によって、企業のシステムは大きく変わってきています。
特に最近では「クラウドファースト」と呼ばれ、すべてのシステムをクラウド上に構築するケースも増えています。
従来のままオンプレミスの物理環境がいいのか、クラウドに完全移行した方がいいのか、システム基盤に悩んでいる方は多いと思います。
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを紹介し、そこから見えてくる次世代のシステム構築のあり方を探ります。

Point1 オンプレミスとクラウドを比較

10年ほど前までは、ほぼすべてのシステムはオンプレミス環境にありました。オンプレミスとは物理環境のことで、システムを構成する機器が社内やデータセンターに存在していました。しかし、仮想化の技術が飛躍的に進んだことから、システムを構成する機器を仮想化して、クラウド上に展開することが可能になりました。 特に、システムの基盤として利用される「IaaS」というクラウドサービスが、世界的に大きく伸びています。日本も例外ではなく、それはAmazon、Microsoft、Googleといったクラウドベンダーが続々と日本のクラウド市場に参入したりと、まさにクラウド全盛期を迎えているといえます。 クラウドの場合は、ビッグデータやAI、IoTなどの新たなビジネスに活かすことで事業を拡大する、いわゆる「攻めのIT」の要素と、ITリソースの調達スピードが向上でき、災害対策にも有効、また運用・管理をアウトソースできる点などから、「守りのIT」の要素も兼ね備えています。

まずは、オンプレミスとクラウドそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
 
○メリット
×デメリット
オンプレミス

・構築してしまえば、数年にわたり安定した稼働を期待できる

・運用コストが大きく変動することがない

・システム監査に対応しやすい

・自社のポリシーやニーズに合わせてカスタマイズが可能

・システムの設計から構築まで時間を要する

・サーバーやストレージ機器の購入などで初期投資が高額となる

・日々の運用・管理の負担が大きい

クラウド

・申し込みから稼働開始までの期間が短い

・サーバーの増強や縮小が容易に行える

・初期費用が安く、安価な月額料金で利用できる

・ビッグデータやAIIoT などを活用した新たなビジネスに素早く対応できる

・運用・管理をアウトソースできる

・システムの拡張やデータ量によっては、コストが高くなることがある

・オンプレミスのように自由にカスタマイズすることが難しい

・セキュリティ対策を継続的に行う必要がある

・オンプレミスからクラウドへ移行する場合、ソフトウェアライセンスが高額になるケースがある

Point2 オンプレミスとクラウド、それぞれに適したシステム

オンプレミスとクラウド、それぞれにメリット、デメリットがあります。それでは、それぞれのメリットを生かせるシステムはどのようなものがあるでしょう。

オンプレミスの特性・・・安定性、堅牢性が高い
ある程度の長期間をかけてウォーターフォールの手法により開発され、数年間にわたり安定して稼働する基幹系システム(顧客管理、生産管理、販売管理、会計管理、金融勘定系)が挙げられます。これらは企業の根幹を支えるミッションクリティカルなシステム、予測可能なシステムであり、オンプレミスが適しているといえます。
 
クラウドの特性・・・柔軟性、即応性が高い
短期間でアップグレードをくり返し、現場の要望に合わせて柔軟に新技術を取り入れていく、アジャイルやDevOpsの手法により開発されるシステムが挙げられます。これには、営業やマーケティング、製品開発部門といった部署が使用する情報系システム(IoT・AI、モバイル、メール、ソーシャルメディア、効率支援、グループウェア、データウェア)などの予測が難しいシステムであり、クラウドが適しているといえます。

Point3 異なる特性のシステムを最適化できるハイブリッドクラウド

こうした状況を受けて、オンプレミスとクラウドの特性に合わせてシステムを振り分け、双方を組み合わせて利用する「ハイブリッドクラウド」が注目を集めています。「ハイブリッドクラウド」とは、これまでは、全て企業内、あるいはデータセンターのハウジングラック内等オンプレミスで運用していた社内システムのうち、柔軟性や即応性が求められる情報系システムをクラウド環境に移行するなどし、それぞれのシステムを適材適所で構築することです。

これにより、基幹系システムは従来のまま安定性、堅牢性の高いオンプレミスで運用しつつ、情報系システムはビジネスの状況に合わせて素早く多様に展開できるクラウドサービスで運用することが可能となり、 AIIoT 、モバイルといった新しい技術をビジネスに取り込むことも容易に行え、効果があれば拡大、なければやめるという事業戦略も簡単に実行できます。このようにデジタルトランスフォーメーション(デジタルによる変革)に対応できるIT基盤づくりは、企業にとって大きな武器になるでしょう。

なお、データセンターを利用した、ハイブリッドクラウド環境の構築には、オンプレミス環境とクラウド環境の双方を提供するデータセンター事業者と契約するパターンと、オンプレミス環境とクラウド環境をそれぞれ別の事業者と契約するパターンがあります。前者は一つの事業者との契約で済むため窓口を一本化でき、管理や運用などの効率も高められます。後者は自由な組み合わせが可能になるため、求めるスペックを実現することができます。

まとめ システムの特性に合わせた基盤を、環境を問わず柔軟に選択

同じ企業にあるシステムでも、基幹系と情報系では性格がまったく異なります。基幹系のシステムには安定性と堅牢性が求められ、構築までの仕様設計に時間がかかりますが、その分、数年間にわたり安定して利用することができます。しかし、変化が激しく即時対応が求められる情報系のシステムもオンプレミス環境で構築してしまうと、変化に対応していくことができません。

情報系のシステムは、新たなサーバーを自由に構築でき、そこに新技術を導入して効果測定を行えること、そして必要に応じて拡大、縮小したり削除できる環境が適しています。それを実現できるのがクラウド環境です。企業の中に性格の異なるシステムが混在しているわけですから、どちらかの環境に統一してしまうことは業務効率にも影響しますし、コストの面でもデメリットが大きくなってしまいます。

そこで、基幹系システムはオンプレミス環境、情報系システムはクラウド環境と、それぞれの良さを両立できる「ハイブリッドクラウド環境」が、これからの企業の成長に適した環境といえます。
システム更新の時期が近いのであれば、ハイブリッドクラウド環境の構築を検討してみてはいかがでしょうか。

ハイブリッドクラウド構成に適したデータセンターをお探しなら、安心と信頼のQTnetデータセンターをおすすめします

当社が運用するQTnetデータセンターでは、ハウジングラックにてオンプレミス環境でのシステム構築はもちろん、同センター内に基盤を設置した、QT PRO IaaS (O) も提供中ですので、システムのクラウド化にも対応しています。両環境を同センター内でダイレクトに接続することも可能で、ハイブリッドクラウド環境の構築も容易に行えます。QTnet データセンターは、建物免震構造をはじめとした高信頼ファシリティ、15年以上にわたるサービス提供実績と信頼でお客さまにご満足いただけるサービスをご提供いたします。

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