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第20回 「自宅が職場」ママがテレワークをはじめて感じたこと(テレワーカー・リポート下)

2019年3月25日

本記事は2018年9月のメールマガジン配信記事です。

さて、前回は「ママがテレワークをはじめて感じたこと (テレワークレポート上)」についてお送りいたしました。小さなお子さんがいるお母さんにとって「通勤時間」を仕事の時間に充てたり、「休憩の余った時間」で家事を行ったり、メリットがとても多いということがわかりましたね。そして子どもの病気のときの恩恵が大きいということや、トイレ休憩などちょっとした離席の際に気を遣うということがデメリットであることもわかりました。
第20回 「自宅が職場」ママがテレワークをはじめて感じたこと(テレワーカー・リポート下)
前回に引き続き在宅ワークを行っている女性にインタビュー。今回は、キャリアシフト株式会社に勤務して自宅からテレワーク業務を行う横林さん(41)にお話を伺いました。キャリアシフトといえば、テレワーク導入の第一人者、森本さんが代表を務める企業ですね。
それでは、お付き合いください。

≪目次≫

  1. 専業主婦がテレワークを始めたきっかけとは?
  2. 社員全員が在宅勤務、その働き方とは?
  3. 銀行勤務時代と在宅勤務の今、その日常を比較すると?
  4. 企業とママさんたち、テレワークで良い関係に

専業主婦がテレワークを始めたきっかけとは?

福岡市東区アイランドシティ、新緑の中央公園が見下ろせるマンションのリビング。子どもたちを幼稚園に送り出したばかりの横林京子さん(41)は、ノートブックPCの電源を入れた。次々と画面に現れてくるメッセージに目を通していくと、横林さんの〝スイッチ〟が2児のママから在宅ワーカーへと切り替わる。

専業主婦がテレワークを始めたきっかけとは?

森本登志男さんが代表を務めるキャリアシフト株式会社(東京)で、2月から在宅勤務を始めた。独身時代は銀行に勤めていた横林さん、在宅勤務で生活はどう変わったのだろうか?
福岡県久留米市出身。熊本の地方銀行に勤務していたが、2009年の結婚を機に退職した。夫の転勤で福岡県志免町、そして東区へと転居。その間、アルバイト程度の勤務経験はあるがほぼ専業主婦だった。在宅勤務を始めたのは、NPO法人ママワーク研究所が2017年12月に開いた「ママ・ドラフト会議」がきっかけ。働きたいママと人材がほしい企業との出会いの場を提供するこのイベントに、横林さんは友人に勧められて参加、同じく参加していた森本さんから入社のオファーを受けた。
横林さんは入社の動機を語る。「社員をキャリアシフトさせるという斬新な考えにひかれました。小さい子がいる私にはぴったりの働き方だなと」。それともうひとつ。「祖母も母も働いていました。私も家事以外で家族以外の人にほめられたかった。働くお母さんの姿を、子どもに見せたかった」との思いも大きい。

社員全員が在宅勤務、その働き方とは?

キャリアシフト株式会社は2017年10月に設立。「キャリアをシフトしたい方を応援する」という企業コンセプトのもと、3つの事業

  1. 個人向けにリカレント教育(学び直し)やコンサルティング、人材発掘といった「キャリアシフト支援事業」
  2. 企業向けにテレワークや戦略型人事育成などの「働き方改革支援事業」
  3. 自治体向けに働き方から地方を支えるような「地方創生事業」

をそれぞれ展開している。いずれの事業も佐賀県庁で職員4000人にテレワークを導入した森本さんらしくICT(情報通信技術)を駆使したものとなっている。

社員全員が在宅勤務、その働き方とは?

会社自体もテレワークをフル活用し、社員7名全員が在宅勤務で、横林さんを含む4名は福岡に居住している。横林さんの業務内容は上記の3事業にかかわる資料づくり、顧客とのWeb会議の議事録作成など多岐にわたる。特にプレゼンテーションソフトやWeb会議を使用することが多いという。
かつては在宅勤務に「すごくスキルの高い人が黙々とパソコンに向かってやる孤独な仕事」というイメージを抱いていた。だが実際にはWeb会議やメッセージツールで森本さんや同僚といつもコミュニケーションをとっており「孤独感はまったくない」と話す。

銀行勤務時代と在宅勤務の今、その日常を比較すると?

銀行勤務時代と在宅勤務の今との日常を比較してもらった。
銀行勤めのころは午前7時前の電車に乗り1時間かけて通勤、早ければ午後5時に退社できたが、残業時の退社は午後8時を過ぎる。それから友人と夕食をとったりすると帰りは終電になることも。独身だったこともあるが、通勤時間を含む拘束時間は11時間〜17時間にもなった。

銀行勤務時代と在宅勤務の今、その日常を比較すると?

在宅勤務の今はどうだろう。「通勤もラッシュも、電車の時刻に間に合うかどうかのハラハラもないです。夫の転勤があれば仕事を辞めなければという不安もありません」と横林さん。
自分の都合でできる資料の作成などは子どもたちのいない日中に済ますようにしている。「家庭優先で構いません」との森本さんの言葉に従って、空き時間や休みを使って幼稚園の授業参観や遠足への参加、発表会の衣装づくり、家事などをこなしている。ただ、Web会議だけは顧客の都合に合わせるため、子どもが自宅にいる時間に行うことも。「静かにさせるのが大変。お菓子をあげたり、カメラをオフにして抱っこしながら会議に参加したり…」と苦笑する横林さん。自宅と職場が同じ在宅勤務ならではの苦労もある。
何よりも助かるのは子どもの急な病気だ。通勤が必要な会社ならば仕事を休まなければならないケースだが、横林さんは通院や看病の合間に仕事を続けることができるという。

企業とママさんたち、テレワークで良い関係に

「テレワークは育児をしている私にとって仕事を続ける有効なツールになっています」と語る横林さん。

企業とママさんたち、テレワークで良い関係に

「育児で仕事をあきらめているお母さんたちにも知ってほしいですね。お母さんたちって普段は口にしませんが、独身時代にバリバリ働いていた人も多い。もったいないなあと思います。また、働きたいけどあきらめているお母さんたちがいることを、企業にも知ってほしい。うまくいけばお互いに良い関係になると思います」
もちろんテレワークは育児や介護を抱える人の特殊な働き方ではなく、普通の働き方のバリエーションのひとつとして広まるべきだろう。しかし、育児や介護で離職を余儀なくされる人々への支援策としての役割はやはり大きい。
政府統計によると、2013年の就業希望者は428万人で、そのうち女性が約315万人と4分の3を占める。働けない理由として最も多いのは「出産・育児のため」で105万人もいる。
働きたいが現状の雇用形態では働けないママさんたちが横林さんのように働けるようになれば、働く人たちの見る景色はずいぶんと違ったものになるかもしれない。

あとがき

横林さんの在宅ワーカーデビューは「ママ・ドラフト会議」という人と企業をマッチングさせるイベントに参加したことがきっかけでした。雇用創出に向けたユニークな取り組みが行われているようですね。そして森本さんの会社らしく、会社全体がテレワークをフル活用して従業員の働きやすさを考えた環境を整えているようです。銀行時代と比較すると、通勤時間の短縮や空き時間を活用できるテレワークは、育児と仕事を両立できる効率的な働き方であると横林さんは語っていましたね。お忙しいところ快く取材に応じていただき誠にありがとうございました!


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