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第17回 テレワークという未来行の列車に「乗車するべき10の理由」

2019年3月25日

本記事は2018年7月のメールマガジン配信記事です。

さて、前回は「テレワークの安全、しっかり確保する方法とは?」についてお送りいたしました。遠隔地にいる社員が使用するツールやセキュリティを強化するためにはどんな準備が必要か、そして複雑化するITセキュリティの管理を効果的に行うにはどういった方法があるのか、森本さんとQTnet営業部・佐藤の2人に対談形式で話してもらいました。
第17回は、「テレワークという未来行の列車に「乗車するべき10の理由」」をお送りします。森本さんによるとテレワークという働き方が「働き手」「企業」「地方」の課題を解決する糸口となり、それぞれのメリットが「好循環」を生み出していくのだそう。働き手、企業、地方にもたらされるメリットとは、どういったものがあるのか今回も森本さんに伺っています。それでは、お付き合いください。

≪目次≫

  1. テレワークがもたらす「三方よし」とは?
  2. 「三方よし」の好循環を生み出す「鍵」は何か?
  3. 働き方改革は「働き手の改革」ではない、では何の改革?
  4. テレワークが企業の生き残りの明暗を分ける?!

テレワークがもたらす「三方よし」とは?

「三方よし」という言葉をご存じだろうか。これは近江商人発祥の経営理念で「売り手」「買い手」「世間」の3者にそれぞれ利益が出る商いをするという意味だという。テレワークのエバンジェリスト(伝道者)で元佐賀県最高情報統括監(CIO)の森本登志男さんは「テレワークも〝三方よし〟の効果が期待できるんですよ」と強調した。

テレワークがもたらす「三方よし」とは?

テレワークの「三方よし」は「働き手」「企業」「地方」のそれぞれが抱える課題解決の糸口になる可能性を秘めているということだ。これまでの連載で述べてきたことだが、森本さんは次のように整理してくれた。

働き手にとって
  1. 通勤における肉体的・精神的疲労が減少する
  2. 育児や介護と仕事の両立が可能になる
  3. 家庭内コミュニケーションが充実する
  4. 自己研さん時間が確保できる
企業にとって
  1. 採用活動において優秀な人材が確保できる
  2. 採用後の離職者が防止できる
  3. 外出時のすきま時間を活用するなどして生産性の向上が図れる
  4. オフィス賃料や資料印刷費が削減できる
  5. 災害時、パンデミック時における事業継続性が確保できる
地方にとって
  1. 労働人口の減少への歯止め・雇用創出対策が期待できる。

これは「サテライトオフィスの誘致」、「地方にいる育児期の女性、高齢者、障害者の雇用」「都市部企業とのワークシェアリング」などによって可能になる。

「三方よし」の好循環を生み出す「鍵」は何か?

森本さんはテレワークを活用した働き方改革によって働き手、企業、地方それぞれにメリットが生まれ、そのメリットが別のメリットを誘発、さらにその結果が連続して「好循環」が生まれると主張する。
それを分かりやすく図にしたのが著書「あなたのいるところが仕事場になる」(大和書房刊)に掲載されている好循環のイメージ図だ。

「三方よし」の好循環を生み出す「鍵」は何か?

この図について森本さんは「注意してほしいのは、図の上部、企業のブロックの〝場所と時間にしばられない働き方の進展〟がすべての出発点になっていることです。つまりテレワークの鍵は企業、まず企業が動かないと好循環の動きが始まりません。企業がテレワークも働き方のひとつであることを認めて、そこに行政が法律を作ったり、予算をつけたりして動きやすいようにする必要があります」と、企業がテレワークへ本腰を入れて取り組むことの大切さを訴えている。

政府の後押しという点では、総務省が「テレワークセキュリティガイドライン」「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」、厚労省が「テレワーク導入ための労務管理等Q&A集」「テレワークではじめる働き方改革 テレワーク導入・運用ガイドブック」「在宅勤務ガイドライン」などを配布。また、厚労省はテレワークに取り組む中小企業事業主に対して費用の一部を助成する「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」を設けている。森本さんは「政府が出している指南書はネットで公開され誰でも入手できます。また内容も更改されており大変充実している。これらを見ても政府が推進に本腰を入れていることが分かります」と言う。

働き方改革は「働き手の改革」ではない、では何の改革?

長時間労働や過労死の問題などを契機に働き方改革が叫ばれている。働き方改革関連法も成立した。働き方改革実行計画「柔軟な働き方がしやすい環境整備」によると、その働き方改革の軸のひとつにテレワークは位置づけられている。

働き方改革は「働き手の改革」ではない、では何の改革?

「ただ、そこで強調しておきたいことがあります」と森本さん。「働き方改革は働く人側の改革ではなく、雇う側の改革、雇用主の問題なんです。つまり経営の責任で解決しないといけない問題」と、くぎを刺した。
テレワークという改革には抵抗勢力が現れ、その多くは中間管理職であることはこれまでの連載の中で述べたが、森本さんは「中間管理職の態度は経営者の態度を映し出す鏡のようなものです。経営者の目指すところが明確であれば、管理職はぶれない。私が経営者なら人事部長や担当役員を週2、3回は呼び出して督励します」と手厳しい。
森本さんが繰り返し強調したのはさまざまな社会問題を解決し、生産性を上げる可能性がテレワークにはあり、それを起動させられるのは企業、とりわけ経営陣の責任である、ということだ。

テレワークが企業の生き残りの明暗を分ける?!

森本さんの口調が厳しくなる理由には「いまがテレワークの好機、導入が遅くなればなるほど企業にとって厳しい時代が到来する」との危機感がある。

テレワークが企業の生き残りの明暗を分ける?!

長い目で見ると、特に採用と離職の問題で企業の体力に差が付いてくるというのが、森本さんの見立てである。採用では売り手市場が続くなか、テレワークなどで柔軟な働き方を確保できている企業に学生の人気が集まる。今後の連載で取り上げる岡山市の石井事務機センターはその好例だ。また、離職の問題では、育児や介護に悩んで離職した社員の再就職の受け皿に、テレワークを導入した企業が選ばれる。要は、テレワークによってもたらされた労働環境の差をめぐって、働き手の流動化が起こり、それによる企業の生き残りが始まる可能性があるということだ。
多くの企業や団体で講演、アドバイザーを務める森本さんは、テレワークに関して企業が2極分化していることを感じるという。つまり、とっくにテレワークを導入してさらに磨きをかけようとしている企業と、動きの鈍い企業との2極である。「早く気づいてほしい」と森本さんは願っている。
テレワークという未来行きの列車、その発車時刻は刻々と迫っている。だが、まだ間に合う。乗るなら今だろう。

あとがき

「メリットがメリットを誘発して「好循環」を起こす」―企業がテレワークに本腰を入れて取り組むことの大切さを森本さんは強調していました。そして「導入が遅れるほど企業にとって厳しい時代がくる…」とも。働き方改革法が成立し、これまでの働き方から今の時代にあった「働き方」に代わりつつあります。いつのまにか新時代の流れに乗っている私たち、どんな未来が待っているのでしょうか。
第18回は「中小企業の課題は「ワクスマ」が解決?100年企業の新しい取り組み」についてお送りします。「ワクスマ」をコンセプトに自社の働く環境そのものを研究所にして「中小企業が抱える課題に向き合う」100年以上の歴史を持つ老舗企業の新たな取り組みについてご紹介したいと思います。社員の満足度、お客様の満足度を上げることで業績も上がる「ワクスマ」とはどのような取り組みなのでしょうか。
次回もお楽しみに!


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