1. TOP
  2. QT PRO 公式blog
  3. 第7回 テレワークで「ナマケモノ」を出さない2つの方法

QT PRO 公式blog

第7回 テレワークで「ナマケモノ」を出さない2つの方法

2019年3月25日

本記事は2018年2月のメールマガジン配信記事です。

さて、前回は「テレワーク推進に抵抗する人々、彼らを味方につけるには?」についてお送りしました。抵抗勢力となりやすい中間管理職には、まずは自分たちで体験してもらいテレワークによる業務効率アップや、生産性の向上など利点を感じてもらうのが良いということ。そして、導入するシステム機器の業者が滞在し、機器に不具合がないか、本番環境によるトライ&エラーを繰り返して行い、システム担当者の負担を減らすことで、抵抗勢力から「仲間」へと引き込むことができるというお話でしたね。
7回目は「テレワークでナマケモノは増えるのか」という話をお送りします。テレワークの導入を考えたとき、管理職が不安を抱くのは「見えない部下」の労務管理。見えない部下をどのように管理するのがベストなのか、そして見えている社員から噴出する「不公平」にどのように対応したらいいのか……。管理者として悩ましいところですね。
今回も森本さんに伺っています。それでは、 お付き合いください。

≪目次≫

  1. ナマケモノが生まれやすいテレワーク、サボリを無くす方法とは?
  2. ナマケモノ対策で必要なのは「働いた時間の評価」より「成果評価」
  3. テレワークから見えてくる「不公平な働き方」とはなんだろう?
  4. なぜ?「完璧を目指さない」が成功のカギ、失敗しない労務管理法

ナマケモノが生まれやすいテレワーク、サボリを無くす方法とは?

テレワーク導入にあたって企業が課題として挙げているものは何だろうか。2015年の総務省の委託調査によると、回答のトップ2は「情報セキュリティの確保」と「適正な労務管理」となっている。テレワークのエバンジェリスト、森本登志男さんが講演などで受ける質問でも、この2つに関するものが多い。連載の第7回ではこのうちの労務管理について取り上げたい。ざっくばらんにいうと「テレワークでナマケモノは増えるのか」がテーマだ。
森本さんは「怠ける人が生まれやすい環境にはなるでしょうね」と話す。理由は簡単。「監視する上司がいなくなるからです」。

ナマケモノが生まれやすいテレワーク、サボリを無くす方法とは?

しかし、防ぐための知恵はある。第1に、テレワーク導入の目的と対象者をきちんと決めておくと防げるのだという。「テレワークを本当に必要としている人、テレワークをしないと困る人に使ってもらうというスタンスで臨むべきです。そういう人は決してサボったりはしません。テレワークの数合わせや目標達成のために導入すると失敗します」と注意するべき点を述べた。

ナマケモノ対策で必要なのは「働いた時間の評価」より「成果評価」

ナマケモノ防止のもう1点は、上司と部下が職務の目標を話し合い、その達成状況に応じて勤務評価を行う「目標管理制度」の導入だ。連載6回目でも指摘したことだが、部下の働いた時間を評価するのではなく、どれだけの成果を上げたかで評価する感覚がなければ、テレワークはうまく機能しない。

ナマケモノ対策で必要なのは「働いた時間の評価」より「成果評価」

管理職のマネジメントの考え方、働く時間の管理から仕事の成果の管理へと進化させないといけません」と森本さんは指摘する。実際にテレワークを導入している企業はどのような方法で勤怠管理をしているのだろうか。厚労省の「平成27年度テレワークモデル実証事業 テレワーク活用の事例集」を見てみよう。
「事前に上司の承認を取り、上司宛てに開始・終了をメール等で連絡する」という企業は積水ハウス、タカラトミー、ローソンなど多い。これなら専門のツールなしにできるだろう。
「サーバー上に保管しているエクセルの出勤簿などの管理ツールに入力する」という企業もアズテック、トヨタなどがある。いずれにせよ、どの企業も何らかの勤怠管理を行っている。森本さんの知っている企業では「パソコンのログイン・ログアウトの時間で管理したり、ウェブカメラで管理したりするケースもある」そうだ。
その一方で、監視の目が緩くなることによるオーバーワークが増える場合もある。見られていないことが逆にプレッシャーとなるため働きすぎてしまうことが原因であるが、これを防ぐため「時間外労働や休日勤務は禁止」という企業もあり、タカラトミーや東急電鉄などが取り入れている。

テレワークから見えてくる「不公平な働き方」とはなんだろう?

では管理職の理解を得るにはどうやればよいのか。テレワーク導入とは、これまでにない新しい働き方をする人が職場に生まれるということを意味する。テレワークする人としない人、両者の公平性をどう担保するかも人事セクションにとっては頭を悩ませる点だ。例えば「職場にいると来客や電話の応対も業務に含まれる。そういうことのない在宅勤務者は処遇を変えるべきだ」といった主張があがるとどうするのか。

テレワークから見えてくる「不公平な働き方」とはなんだろう?

これに対して、森本さんは「職場の不公平感はどこにでもあります」と言う。例としてあげたのは喫煙者。「1日に何度も離席して喫煙所に向かいますが、非喫煙者から見れば同じ処遇なのは不公平という話になりますよね。それが問題にならないのは昔からやっていることだからで、逆にテレワークがやり玉に挙がるのは新しいことだから」と森本さん。そういった不公平を職場と協議しながら解決していくのが人事の仕事で、テレワークに限ったことではない。

なぜ?「完璧を目指さない」が成功のカギ、失敗しない労務管理法

テレワーク全般にいえることだが、特に労務問題とセキュリティについては「最初から完璧を目指すのではなく、できるところからはじめることが大切。小さくはじめて拡充を繰り返す方がより早く目的を達成できます」と森本さんはアドバイスする。労務管理とセキュリティには終わりがない。社会ニーズや技術革新などで絶えず変わっていくためだ。

なぜ?「完璧を目指さない」が成功のカギ、失敗しない労務管理法

同じようなことは厚労省の「テレワークではじめる働き方改革 テレワークの導入・運用ガイドブック」でも指摘されている。ここでは実施頻度について触れているが、導入の初期段階では実施日数の頻度を少なめ(週1、2回)に設定することを推奨している。そのペースだと、人事評価などの社内制度やルールを大きく変更する必要がなく、上司や同僚とのコミュニケーションもそれほど減少しないからだ。「導入後の評価や課題の解決を行った上で、テレワークの実施日数を段階的に増やしていくとよい」としている。
スモールステップで、テレワークの小さな成果を積み上げていってはいかがだろうか。

あとがき

介護や育児、予期せぬケガなど、どうしても在宅勤務が必要な場面においてテレワークはいつもの働き方ができる心強いツール。でも管理する側からすると、本当に作業しているのか、サボっていないか、業務の進捗はどのようになっているのかなど、不安な要素が増えてしまいます。
森本さんがおっしゃるように、週に1~2日などからスタートして、拡充を繰り返しながら段階的に導入を進めいき、人事評価の制度も「時間」から「成果」に移行することで「見えない社員」の労務管理をスムーズに運用できるのではないでしょうか。
第8回は「情報漏えいは大丈夫?セキュリティの不安を切る」見えない社員への不安な要素は労務管理ともう一つ「情報セキュリティ対策」です。顧客情報、市場の情報、仕入れ先の情報など、企業にはさまざまな重要情報が存在します。離れた場所から重要なデータにアクセスするテレワークでは、どのようなセキュリティ対策が有効なのか……。
次回も森本さんに詳しく伺っていきます。お楽しみに!


QTnetのサービスご紹介