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株式会社ポリフォニー・デジタルさま

解決した課題

導⼊前
会社設立(1998年)当初から、業務に関する全サーバーを社内のサーバールームに設置していた。何らかのトラブル発生時には、すぐにシステムにアクセスできるメリットがある反面、事業が拡大するにつれ作業スペースが手狭となり、電源や空調の管理にも時間を割かれるようになった。
その後も、システムは徐々に拡大。設立当初に設営した空調設備の性能が追いつかなくなり、空調故障による温度上昇が原因で、サーバーが停止する事態が発生。自社でサーバーを管理することに、限界を感じるようになっていた。
導⼊後
業務用機材を福岡アトリエへ運び込む段階で、すでにキューデンインフォコム(現QTnet)データセンターを活用することが決定していたので、サーバー設置に悩むことなく最初から室内全体をワークスペースとして使うレイアウトを組むことができた。また、福岡の新オフィスからデータセンターまでのダークファイバー(高速通信回線接続)も、契約から1ヵ月足らずで確保できたほか、入居する福岡SRPセンタービルの電源環境も整っていたため、東日本大震災からわずか4ヵ月ほどで、福岡アトリエの本格稼働が実現できた。
まとめ
全サーバーを単一オフィス内に置くことの危険性を低減させるため、東京スタジオの一部機能を、都内の別ビルに分散配置しました。しかし、作業ファイル用や演算処理用などの主要サーバーが、運用上移設できないという点が懸念材料でした。
そこで、分割した東京スタジオを、より広いスペースが確保できるビルに移転統合させ、それに併せてサーバーも、パフォーマンスが高くリモート管理機能に優れたシステムに更改する計画が進み始めました。ところが、サーバーの出荷準備がほぼ整った頃に、東日本大震災が発生。業務継続・リスク分散の観点から、東京と福岡との二拠点化を決定しました。

導入の背景

世界中のゲームユーザに満足してもらうために
キューデンインフォコム(現QTnet)「ポリフォニー・デジタルさま導入事例」(株)ポリフォニー・デジタル 高山さま

ポリフォニー・デジタルが開発・制作する「グランツーリスモ」シリーズは、世界中のゲームユーザーからご支持いただいているカ―レースゲームです。演算ロジック処理による現実的なクルマの挙動や、グラフィックの美しさ・リアルさ、収録する車種やコースの豊富さが、多くの皆様から愛される大きな要因だと思います。
ゲームユーザーがよりリアルに、より多彩にゲームを楽しめるよう、開発側としても、常に進化させ続けねばなりません。また、作業中のデータ損失を防ぐため、撮影データやモデリングデータなどはすべて、ファイルサーバー上に保存するのがポリフォニー・デジタルの方針なので、ワークステーションとサーバー間のデータ量も非常に大きくなります。データを守ることはもちろん、サーバーをハイパフォーマンス化すること、高速通信回線を確保することが、業務継続・リスク分散を遂行する上での必須条件でした。

導入のポイント

「ハウジングサービスからダークファイバーまでワンストップで提供」が決め手に
キューデンインフォコム(現QTnet)「ポリフォニー・デジタルさま導入事例」(株)ポリフォニー・デジタル 向田さま

東日本大震災直後、首都圏ではすべての鉄道網がほぼストップし、その後も計画停電が実施されていました。そのため、福岡の新拠点を一刻も早く稼働させたかったのですが、作業を行うワークステーションとサーバー間のデータ量が非常に大きいため、データセンターを利用する場合は高速通信回線を構築することが条件でした。
東京と福岡の二拠点化が決定し、インターネットで「福岡のデータセンター」を検索したところ、ハウジングサービスからダークファイバーまでワンストップで提供してくれるキューデンインフォコム(現QTnet)のデータセンターがヒットしました。データセンターへのサーバー設置が完了するまでに、高速通信回線も接続できる迅速さが決め手となり、キューデンインフォコム(現QTnet)を選定しました。
西日本(福岡)への進出は、ポリフォニー・デジタルにとっても、母体であるソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)にとっても、初めてとなるため、データセンターの高信頼ファシリティや厳重なセキュリティに加え、データセンター事業者であるキューデンインフォコム(現QTnet)の信頼性も、大きなポイントになりました。

システム概要

キューデンインフォコム(現QTnet)「ポリフォニー・デジタルさま導入事例」※Qicデータセンター(現QTnetデータセンター)
(株式会社ポリフォニーデジタル提供)

今後の展望

福岡アトリエを開設して4年数か月が経過(取材時)し、ストレージの世代交代や通信回線の増強、ラックの追加などにより、「第2世代システム」が完成したところです。ポリフォニー・デジタルにおける二拠点化の最大の目的は、大規模災害時でも業務を継続することにあります。東京~福岡間は、インターネットVPNで常時データの同期を行っていますが、単一障害となり得るサーバーやデータをコンバートするためのロジックは、未だに東京スタジオ側に偏在しています。万が一、首都直下型地震などで東京スタジオの業務が長期間ストップしても、最新の「グランツーリスモ」を待ち望んでくださっている世界中のゲームユーザーのため、東京スタジオ側の機能を分散し、今後さらなる冗長化を進めていく計画です。

キューデンインフォコム(現QTnet)「ポリフォニー・デジタルさま導入事例」

本事例は、2016年4月時点における情報です。
「キューデンインフォコム」は2019年7月に「QTnet」と合併しました。

Point

  1. 東京の第一拠点から離れた、九州の高信頼ファシリティを備えたデータセンターを選定することで、業務継続・リスク分散を実現。
  2. 経験豊富な技術スタッフによる、24時間365日の有人監視でサポート体制も万全。
  3. お客さま拠点からデータセンターまでのダークファイバー(高速通信回線接続)をワンストップでご提供。

導入サービス

株式会社ポリフォニー・デジタルさま

事業内容
家庭用ゲームソフトウェアの企画・制作・サービス運営
所在地
福岡アトリエ:福岡県福岡市早良区百道浜2丁目1番22号  福岡SRPセンタービル5F
従業員数
約190名(東京スタジオ・上野アトリエ含む)(2016年4月現在)
URL
http://www.polyphony.co.jp/
http://www.gran-turismo.com/jp/